【受験体験記】ANS-C01 AWS Advanced Networkingについて

勉強AWS,勉強,資格

はじめに

2023年4月16日、AWS Advanced Networking(高度なネットワーキング 専門知識)を受験し合格しました。今回は試験のレポートです。

試験概要

AWS Advanced Networking(高度なネットワーキング 専門知識)はAWS認定試験の中ではネットワークの専門分野と位置付けられており、後に紹介する試験ガイド内にも記載がありますが、『ハイブリッドクラウドネットワークのアーキテクチャを大規模に設計・実装・管理・保護する能力を評価するもの』とされています。

試験概要としては下記となります。(2023年4月現在)

  • 問題数は65問。但し、実際は65問のうち50問が採点評価の対象となり15問は採点評価外の問題のようです。
  • 受験料は30,000円(税別)
  • 合格点は、100~1000点中750点
  • 試験時間は180分。
  • すべて選択問題(4択中1つを選択。または5つ以上の選択肢から2つ以上を選択)
  • 高度なネットワーキングの試験内容が2022年7月にANS-C00からANS-C01にバージョンアップしています。
  • 試験前にメモが出来るシートとペンが貸し出しされます。

結果

785点でギリギリ合格の結果でした。(合格点は750点以上)

試験中は3割くらいの設問は自信のある解答を選べましたが、残りは多分これかなという解答で手ごたえはイマイチでした。

また、180分試験で65問解答する必要があるため1問にかけられる時間は約2分45秒になるのですが、設問が機械翻訳で訳されたような読みづらい日本語で、また長文で構成された設問が頻発し集中力と読解に慣れが必要な試験だと感じました。

何とか15分ほど残して全問解答しました。時間があれば解けそうだなという問題を途中メモシートに書いていたので、残りの15分で解きました。なお、後から気づいたのですが、設問にフラグを立てることができ、全問解き終えた後にフラグへジャンプできる機能がありました。(フラグを付けてなくても設問がリスト形式で表示され目的の設問をクリックすればすぐジャンプできます。)

当方の知識レベル

受験前の当方の知識レベルは下記です。

  • 商用レベルでのAWS経験はなし。
  • 3年前にSAA(AWS認定 ソリューション アーキテクト アソシエイト)を取得してます。
  • SAA取得時にメジャーなサービス(VPC,ELB,Route53,CloudWatch,S3,RDS,IAM,ACM,CloudFormation,etc…)は一通り使ってみました。
  • ネットワークのエンジニア歴は15年以上で一般的なBGPやロードバランサ、DNSに関する知識はあります。

勉強方法

勉強時間

まず、勉強期間は約4か月と2週間程度で合計90時間ほどかけたと思います。SAAを取得以降AWSから離れてしまっていたので感覚を思い出すという意味でも、前回前々回のブログで記事にした環境構築の時間も含めてます。

教材

使った教材は下記となります。

教材媒体教材の説明
要点整理から攻略する『AWS認定 高度なネットワーキング-専門知識』旧試験のANS-C00を対象にした本ですが、ANS-C01の試験範囲に含まれているサービスの説明もある教科書的な本です。体系的にまとめられているので、まずはこれを一読して試験の出題となっているサービスを一通り把握するのがおすすめです。
TechStockWeb問題集7問の問題×27セットの問題集です。各設問の解答毎に解説がついており、ハズレの解答にもなぜハズレなのかが書いています。その為、特定のサービスを問う問題でも別のサービスを同時に理解できることが多く効率的に知識を吸収できました。
なお、旧バージョンの問題集のため、VPCトランジットが解答のように古い設問(現在はDirect Connect ゲートウェイやTrasit Gatewayが主流)もあるので注意は必要ですが、何回も繰り返すことでAWSのサービス仕様やサービスの組み合わせによって満たせる要件を覚えることができました。なお、本番の試験で同じ問題は出ていなかったと思います。

※当時は27セットまででしたが、2023年4月25日時点で確認すると36セットに増えてます。もしかしたら現行バージョンの問題が徐々に増えてきたのかもしれません。
DigitalCloudWeb問題集25問×6セットの合計150問題集です。TechStockと同じように各設問の解答毎に解説がついており、ハズレの解答にもなぜハズレなのかが書いています。また、問題集の他にハンズオンなどのトレーニングサービスも付いていますが、私は問題集しか利用しませんでした。

他の方のブログで紹介されており本番と似た問題があった、ということで試験1週間前にやりこみました。確かに数問、本番と似た問題が出題されていました。

なお、当問題集は英語なのでChromeの翻訳機能を使いました。機械翻訳の癖に慣れるという意味でもよかったように思います。
AWS Certified Advanced Networking – Specialty (ANS-C01) 試験ガイドPDFの試験ガイドAWS公式の試験ガイドです。当たり前ですが、ここに記載のAWSサービスや観点についての問題が中心になります。
勉強期間中に何度かガイドに沿った勉強が行えているか、また漏れはないか、というチェックができます。
AWS公式 試験問題サンプルPDFの試験問題サンプル10問のAWS公式サンプル問題です。本番に近い問題も出題されています。
また、問題や解答に対する文章の長さ、問題の問われ方、解答選択肢の構成が本番と似ているので受験する方はチェック必須です。
スキルビルダーWeb問題集15問のAWS公式 Web問です。本番と比べるとあっさりしていましたが、試験範囲に関する問題なのでやっておきました。
BlackBelt オンラインセミナーYoutubeBlackBeltオンラインセミナーの動画です。セミナー動画とはいえ、内容は結構深く受験者にとっても役立つ情報を得られます。また、話者の方達の説明が分かりやすく、動画という利点もありサービス内容の理解につながりやすかったです。

なお、当方が視聴した動画一覧をおすすめ度付きで下記に記載しときます。
※あくまでANS-C01の勉強をするという点でのおすすめ評価です。

【AWS Black Belt Online Seminar】Amazon VPC
【AWS Black Belt Online Seminar】AWS Direct Connect
【AWS Black Belt Online Seminar】 AWS Site-to-Site VPN
【AWS Black Belt Online Seminar】オンプレミスとAWS間の冗長化接続
【AWS Black Belt Online Seminar】AWS Transit Gateway
【AWS Black Belt Online Seminar】Amazon Route 53 Resolver
【AWS Black Belt Online Seminar】Amazon Route 53 Hosted Zone
【AWS Black Belt Online Seminar】Elastic Load Balancing (ELB)
【AWS Black Belt Online Seminar】Gateway Load Balancer
[AWS Black Belt Online Seminar] Amazon CloudFrontの概要
[Japan] Amazon Game Tech Night Live #3 ゲームでの AWS Global Accelerator 活用
【AWS Black Belt Online Seminar】AWS Network Firewall入門
【AWS Black Belt Online Seminar】AWS CloudTrail
【AWS Black Belt Online Seminar】Amazon CloudWatch
【AWS Black Belt Online Seminar】AWS Key Management Service
AWS Cloud WAN概要【AWS Black Belt】
【AWS Black Belt Online Seminar】AWS Certificate Manager

★=出題頻度の高かったサービスです。サービスの中心的な機能+細かいところまで説明している内容を理解することをお勧めします。
〇=問題として頻出します。主要な機能の説明は理解した方が良いと思います。
△=概要だけ抑えれば十分かと。

勉強ルート

Site to Site VPNを構築する。

Transit Gatewayを試してみる。

要点整理から攻略する『AWS認定 高度なネットワーキング-専門知識』 #一読。流し読み。

AWS公式 試験問題サンプル #2週くらい。全問正解してもあまりピンとこない。

スキルビルダー #2週くらい。全問正解してもあまりピンとこない。

TechStock + BlackBelt(Youtube) #正解10割になるまで何度も繰り返し。あわせてBlackBelt視聴。

AWS公式 試験問題サンプル #改めて実施して解答の解説も理解できるようになってきた。

DigitalCloud #大体初見で7割正解。10割正解できるまで何度も繰り返す。

受験

TechStock問題を解きつつBlackBeltオンラインセミナーの視聴を繰り返したことで、ようやく力がついてきたなと実感しました。TechStockは全問題からランダムで問題を出す模試モードがあるのですが9割以上正解できるようになり、その後のDigitalCloudでも初見で7割くらいはとれるようになりました。最後、DigitalCloudで10割正解までもっていき受験しました。結果合格できてよかったです。

本試験

私は試験開始の15分くらい前に受付に行きました。時間に余裕があったので待たされるかな、と思いましたが、そのまま流れで事務手続きを終わらせて試験スタートしました。

時間配分はかなり意識するようにし、一問、原則2分45秒以内に解答するように心がけ、1/4時点、2/4時点、3/4時点で時間がそれぞれ、残り135分、90分、45分以内に収まっているか確認しながら進めました。
なお、長文問題が出てくることは事前調査済みだったので、長考が必要そうな問題は設問番号をメモし適当に解答し進めました。65問全解答後、15分ほど余っていたのでメモした問題(確か5問程度)に着手しました。全問バランスよく時間をかけ解答できたと思います。

試験に頻出するサービスは上で書いたYoutubeのBlackBeltオンラインセミナーの★を付けたサービスです。VPCの各サービスやRoute53、ELB、DirectConnect(BGPのASやLPやコミュニティ値含む)、Transit Gateway、GLB、の出題頻度が高かったように思いますが、このサービスだけを完璧にしても合格は厳しいと感じます。やはり、〇にしたサービスも把握する必要があると実感しました。

また、サービスの組み合わせを問う設問も結構な頻度で出ます。BlackBeltオンラインセミナーではサービスの組み合わせで出来る事も紹介しておりここも聞いとくと良いと思います。

事前のネットワーク知識ですが、CiscoのCCNAのようにL2,L3についてがっつり把握していなくても合格はできる内容だと思いました。どちらかというと各サービスの特性や要件が出されたときにどういうサービスの組み合わせがベストなのか、という設問が多く、あくまでAWSのネットワークサービスを利用することを前提に作られている試験です。
とはいえ、試験範囲に簡易なBGPの理解が必要だったり、IPアドレスのサブネットマスクを理解する必要はありますので、事前にネットワークの知識があることによるメリットはやはり大きいとは思いました。

試験直後ですが、その場では合否の結果は分からずでした。私の場合は、試験終了後、数時間くらいでCredlyというところからバッチを受け取ってください、というメールが届き合格を認識しました。翌日、朝にAWSから合格のメールが正式に届きました。

レポートは以上です。